お皿こうじ×中村誘導坊

どっか行きたい。なんかしたい。頭の中だけでも。

テレビを消す


我が町はイナカである。
駅前は大体夜の9時を過ぎると静かだ。お店なんかもまだ営業はしてるのだが、人通りは少ない。



駅前から小走りで5分くらいの所に住んでるアパートがある。言うまでもなく静かだ。


今日は風が強かった。いつも夜は近くにある往復約3.5キロくらいの橋をジョギングするが、今日は日中暑かったし、夜は風がごうごうと吹いていたのでサボった。


ドラクエやったり、飽きたらhuluで名探偵モンクを見る。名探偵モンクのようなコメディタッチの一話完結の海外ドラマが昔から好きだ。安心感がある。


夜10時頃、疲れてきた。そういえばテレビもプレステ4も帰ってきてからずっとつけてる。ご飯時もソーメン食べながら孤独のグルメを見て「ポパイベーコンうまそうだなー」とか見てた。


プレステ4の電源を落とす。テレビもまわしてみたけどイマイチ見たいのもない。テレビも消す。


静寂。
冷蔵庫のモーター音がする以外は静寂。


暑いので開けてた窓の外から『りりりりりり...』と虫の声がする。


イナカだから駅の近くのアパートといえど、向かい側には空き地がある。きっとそこから声がするんだろう。



『りりりりりり...』



『いいじゃないか』


私は孤独のグルメの、松重豊演じる井之頭五郎のようにそう思った



アパートを出て、階段を降り、虫の声でも聴きながら少しは歩こう。



私は散歩することにした。



アパートを出てすぐ


気づいてしまう


私を外に引っ張り出したきれいな虫の声はアパートを出てすぐのゴミ捨て場から聞こえてることに。



なんかやだなぁ



もう夜なので、ぐるりと10分ほど歩いて、私はアパートに戻った。




ゴミ捨て場からまだ
『りりりりりり...』ときれいな声が聞こえる






部屋に入る。




外が涼しかったぶん部屋が暑い



外から虫の声




うるさい